2013年12月28日土曜日

東北スタッフ便り (その21) : セルフ・ビルド支援 4

【東北スタッフ便り 2013.12.28】

こんにちは。大船渡の徳地です。年内最後のセルフ・ビルド支援の進捗です。

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【WEEK9:1216-1223】棟上げ後の金具取り付け

棟上げが済んで、家の形が見えてきて、まあできたも同然だなと、ついついちょっと油断してしまいそうですが、実はこれからが大変。細かく、見た目ではあまり大きな変化がない作業が多くあるため、何日も何日も作業しても全然前に進んでいないような、そんな錯覚にとらわれるそうです。まさにその片鱗を見た一週間でした。

棟上げしてから各所に金具を取り付けます。隅柱には上下に大きい引き込むような金具Aを、その他柱には固定する金具Bを、梁と桁にも引き込むような金具Cを、垂木には固定する金具Dを。。。。と場所によって取り付ける金具が違います。(金具の具体的な名前は一般読者を混乱させるとおもってここではわざと(強調)省略しています。最近は遠くでインパクトドライバーの音が聞こえると安心をし、珍しい建物に入ると構造や細部の施工をチェックしてしまうデエク(大工)おたっきー度が増しているので、ここはあえて押さえて、なんとか残り少ない女子力の維持に努めようと思います。みなさまもご協力を 笑)

昔はこんなに金具を付けなかったそうですが、今は金具だらけ。金具の発達によってより便利にそして強固になってきていますが、30年前に大工修行した施主の佐藤さん(仮名)も驚き半分、ちょっとした不満が半分で施工しているみたいです。やっぱり昔ながら(なんなら木の釘で!!)が一番風情があっていいと思っている?みたいです。

ちなみに大船渡を含めたこの地域の大工は昔から大変腕に定評があり、気仙大工と、気仙(大船渡、陸前高田、住田)地域の大工集団は呼ばれていたそうです。大工として全国に出稼ぎをし、そして故郷に戻ってきて、技を伝えていきます。その繰り返しが類まれな有能な大工集団をこの地域で作り出したそうです。その土地柄なのか、そこらへんのおばさんでもちょっとした建築論の薀蓄を垂れたりしますし、佐藤さん含め、みなさんとても住宅や建築にこだわりがあます。(中には公営住宅に入るのがさも人生最大の屈辱のように言う方がいらっしゃるのもこのような背景があるのかもしれませんね。)

週末はボランティアさん5名に来ていただいきました。天気もだんだん氷点下になってきて、外での作業がだんだん辛くなってきました。地味な作業でしたが、お陰様で大変助かりました!ありがとうございます!!


2013年12月18日水曜日

東北スタッフ便り (その20) : セルフ・ビルド支援 3

【東北スタッフ便り 2013.12.18】

こんにちは。大船渡の徳地です。セルフ・ビルド支援の進捗、週に一度更新していく予定でしたが、先週はさぼってしまいました。すみません。そこで、今日は2週分の進捗を一挙に公開していきます。

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【WEEK7:1202-1208】土台の据え付け

先先々週の工場詰めの一週間が過ぎ、先々週はそれら工場で加工したものを現場に持ってきて、いよいよ取り付けです。まずは土台の据え付けを行いました。

基礎を作った際に埋め込んだアンカーボルトなどの位置を図りながら、土台のほうに穴をあけて行きます。この作業をへてやっと土台は基礎の上にちゃんとのり、そしてずれなくなります。施主の佐藤さん(仮名)の大工の腕は三十年前のもと。ちょっと忘れていたり、間違えたり、そしてそれを修正しながら作業していきます。時には工期などのストレスから佐藤さんの顔が日に日に険しくなっていくのを必死にフォローをしたり、ああ、この仕事は大工の見習いでもなく、関係者間のただの調整役でもなく、ボランティアを受け入れているだけでもなく、本当に、深く深く一人の人と関わり、向かい合う支援だと、改めて考え直したりしています。


週末には、日本ヒルティ株式会社の社長含め、社員総勢16名が、ボランティアをしに、はるばる大船渡まで来てくれました。主な作業は、玄関脇にあるポーチの基礎工事と、その土台のお手伝い!(そしてなんとお隣の南区公民館の壊れていた床板の修繕も行いました!!!感謝!)



とまあ、土台が無事に据え付けられたら、いよいよ棟上げです!!



【WEEK8:1209-1215】棟上げ

棟上げは今まで地面に這いつくばっていた作業から一
点、いままで刻んでいたものを一気に組み立てることを指します。この作業ばかりは高所の作業や重くて長い材料を大量に運ばなきゃいけないということで、クレーンを使用。本職の大工さん3人に来てもらいました!

柱を建てて、梁を渡し、金具で固定。これを順序良くやって行きます。この順序良くが結構難しくて(たぶん、担当していた大工さんはスイスイとやっていましたが。。)、順序を間違えると予定していた方向に組めなかったり、二度手間になったり。そして、徐々に家らしくなっていくのでした。

一気に組み立てると言っても、一気には組みあがらないので、大工さんが帰ったあとも、佐藤さんとスタッフとでちまちまと金具を取り付けていったり、残った梁を組んだりしていました。


そして、先週末にはまた二名ボランティアさんが参加。人数はすくなかったものの、とても大事な鋼製束の設置作業を行っていただきました。これは根太を支えるためのもので、根太が床を支えます!これがきちんと行われないと、数年後には床が「かふがふ」してしまうかもしれません。(注:がふがふはここの言葉でゆるゆる、ぶかぶかと類似した意味です。)

また、徳地は家の枠を組むという行為を棟上げと勘違いしていましたが、実は垂木が上がるのが棟上げといいます。実際、垂木を苦労してあげたら、屋根の形が現れ、ぐっと家を作っているという実感がわいてきました。15日は大安の日。この日に略式ですが棟上げ式を行い、餅はまきませんでしたが、BBQを行いました。その後は、神主さんが来て、祈祷を行いました。
とても寒い日だったので、施主の佐藤さんが思わず神主さんに「寒いから短めにお願い!」と注文を付けていました!この辺も地元ならではだな、とその言葉を聞いていたスタッフとボランティアさんは笑っていました。



今後は細かい作業が続き、やってもやっても終わらない錯覚に陥るそうです。が、佐藤さん、またお手伝いに来てくださる地元住民の方、ボランティアの方、これからも力を合わせ、完成に向けて頑張りましょう!!


◆セルフ・ビルド支援 バックナンバー
2013.12.06 セルフ・ビルド支援 2 (11月25日-12月1日)
2013.11.26 セルフ・ビルド支援 1(10月13日-11月24日)



2013年12月17日火曜日

東北スタッフ便り (その19) : 「越喜来展」のご紹介

【東北スタッフ便り 2013.12.17】

こんにちは、大船渡の徳地です!先週のセルフ・ビルドのご報告が滞っていてすいません。でも、ビッグニュースがありますので、待った分期待していてください!

さて、今日はセルフ・ビルドではありませんが、関連して一つお知らせがあります!

セルフビルドが行われているのは大船渡市の越喜来地区で、セルフ・ビルドの基礎部分の指導などをかってでてくださっているのは、越喜来地区の片山建設社長、片山和一良さん(和一さん)です。和一さんは、ハビタットがソーラー発電システムの導入支援を行った南区公民館の区長であり、しかも、例の潮目の作者、とまあ、ハビタットは大変、越喜来と和一さんとは関係が深いのです。その関係で、実は以前、越喜来のまちづくりのために、ハビタットはボランティアと一緒に、越喜来の復興計画を視覚的に見るためのジオラマを作成しました。

ジオラマは、復興のためのまちづくりに必要なもので、なにをどこにどうするのかを話し合う際に使われます。このジオラマが、この度、東京出張いたします!!チーム越喜来という越喜来を応援したい個人ボランティアの集まりが、東京の原宿で【越喜来展】を企画し、今日から開催です!!!そこで、ハビタットのボランティアが作り上げたジオラマが展示される予定です!!

開催日時 : 2013年12月17日(火)から12月23日(月・祝)
開催場所 : 原宿ブロックハウス

※詳細はこちらよりご確認ください:http://blockhouse.jp/693

越喜来展では地元のおばちゃんたちが(わざわざ上京して!)縄をなうワークショップ(どんこ汁【発音:どんこづる】)が開催されたり、越喜来の食材で作った料理を出す食堂があったり、越喜来と潮目と和一さんを撮った写真展があったり。和一さんのトークショウは、残念ながら多忙のため上京出来ず、中止になりましたが、本当に見どころ盛りだくさんのイベントです!!!徳地もあああああ、行きたいと思っています。。。(セルフビルドの大事な時期でいけないけど、、、、わーん)ということで、みなさん越喜来展@原宿まできてけらっせん!!(気仙語あってる? 笑)



2013年12月12日木曜日

国内:ボランティア体験談(東北その15)

【ボランティア体験談 @東北 2013.11.30-12.01】
投稿者:東北大学チーム/ ハビタット・ジャパンが宮城で行う復興支援活動に参加
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こんにちは。東北大学工学部2年、学生団体”As One”の上田 格(いたる)です。

僕たちはハビタットのプログラムで先日11/30と12/1に宮城県東松島市矢本地区の仮設住宅と女川にあるコミュニティスペース”ゆめハウス”を訪れました。矢本地区の仮設住宅では、住民の要望を受け、ハビタット・ジャパンが毎年クリスマス用のイルミネーションを藤棚に飾り付けています。また、女川では、その地区に唯一残った建物をコミュニティスペースとして活用しようとする一般社団法人コミュニティスペースうみねこの構想に協力するため、”ゆめハウス”と名付けられたこの建物の修繕をお手伝いしています。僕たち東北大学の学生団体"As One"は、青山学院大学にあるハビタット・ジャパン学生団支部”SHANTI SHANTI”と共に、現地へ赴き、これらの活動をボランティアとしてお手伝いさせていただきました!


2日を使い、イルミネーションの設置は完了させることができましたが、”うみねこ”の修善は完成に至ることができませんでした。これから自分たち宮城の大学生が継続的に、そして密接にお手伝いをすることで、一日も早く”ゆめハウス”を完成させられるよう、がんばります!そして、微力ですが、復興が少しでも早く進むことを願って活動したいです。

そのために、僕たち”As One”が先頭に立ち、率先して仙台市内、宮城県内の学生を中心に多くの人にこの活動を広めていきたいです!そして、各大学にハビタット・ジャパンの学生支部ができたら、宮城県内でネットワークを繋げて、学生支部をベースに学生も一般の方もボランティア活動に参加しやすい環境を作るというのが今の僕らの目標です。

“As One”という名前にも込めたように、ボランティアの協力を受ける方もボランティアをする方も全員が”ひとつ”になって宮城を、そして東北を盛り上げていけたらこれ以上のことはありません。これから”As One”はどんどん躍進していきますよ!!みなさんよろしくお願いしますね!!

2013年12月6日金曜日

東北スタッフ便り (その18) : セルフ・ビルド支援 2

【東北スタッフ便り 2013.12.06】

ハビタット大船渡事務所の徳地です。先日、これまでの”セルフ・ビルド支援”の様子をブログで紹介しましたが、ご覧いただけていますか?お約束通り、先週一週間の建築活動の様子をお伝えします。

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【WEEK6:1125-1201】木工工事準備その他:墨付け、刻み、周辺整備
先週に次いで、木工工事のための準備を行いました。墨付けと刻み。なんと大工の本髄が発揮されるこの墨付けと刻みに大船渡スタッフの小松と徳地も微力ながら参加させて頂きました。墨付けと刻みの作業を行ったのは、黒田工務店さんの工場。無償で場所と機械を使わせて頂いております。感謝!!

日中太陽が出ている間は、工場の外で刻み。手順やコツを教わってひとつひとつ丁寧に穴をあけていきます。夕方は工場内で電気をつけて墨付けのお手伝い。施主の佐藤さん(仮名)の指示に従い、サインペンで木に印をつけていきます(これが墨付け。おそらく、もともとはペンではなく墨で印をつけていたため。佐藤さんは昔の習わしを頑なに守り、未だに墨でつけていますが、徳地は先鋭的に(?)サインペンを使用 笑)。プラモデルに例えると、この墨付けは、組み立てるために凸凹をどうするかの印をつけること。そして刻みがその凸凹を実際に作ること。墨付けが終わると、今度はそれを機械を出して刻み作業を。大量のおが屑がでるので、徳地は目と口などを塞いでの作業。仰々しい感じになってしまいました!



土日はボランティアの協力の元、作業を進めます。もともと木が覆い茂っていて、日当たりの悪かった佐藤さん宅ですが、片山さんの協力のもと不要な木や雑草を狩り、敷中周辺を整理しました!これできっと、もっとすごしやすくなったはず!


次の週はいよいよ木工工事の本格始動?乞うご期待!!