2013年11月26日火曜日

東北スタッフ便り (その17) : セルフ・ビルド支援 1

ハビタット大船渡事務所の徳地です。いきなりですが、みなさん”セルフ・ビルド支援”とは何か、ご存知でしょうか?初めて聞く方、こちらをクリックしてください!

大船渡事務所が取り組むこのセルフ・ビルド支援、10月から建築活動を始めています。これまでの活動模様を振り返りたいと思いますので、お茶菓子を用意し、じっくりご覧ください。

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【WEEK0 :1013】地鎮祭
大安の10月13日に地鎮祭を行いました。普段シャイな施主の佐藤(仮名)さんも、今日ばかりは、みんなに前に進められ最前列に立っていました。工事期間中何事もなく、最後まで安全でいられますように。

【WEEK1:1023-1027】確認申請許可と遣り方
10月23日に念願の建築確認申請が下りました。さっそくその日に遣り方と呼ばれる作業を佐藤さんと共に開始。建築予定の場所の周辺に高さや建てる位置の基準となる線/糸を張るための板を杭を打って取り付けました。

その週末にはセルフビルドの初のボランティア受け入れ!参加者は少数でしたが、家の基礎を作るために、地面を機械を使って掘り、砂利を入れて行きました。基礎工事に関しては、地元である越喜来で建設業を営む片山建設社長、片山和一良さん(通称ワイチさん)が指導をしてくれています。感謝!

【WEEK2:1028-1103】基礎工事:捨てコンクリートとベースコンクリート
10月28日に掘った基礎にコンクリート打ち。捨コンと呼ばれる部分です。一番下に枠などないまま打つもので、その上に家の基礎となる部分のコンクリートをしっかり枠を組んで作ります。
11月2日の午後に基礎のベースコンクリート打ちを行うに向けて、佐藤さんとスタッフでベースのための木枠を組み、鉄筋を組み、鉄筋を補強し、ここまで打つんだよ!という墨を出しました。日夜作業して何とか間に合わせました。もちろん夜は作業していませんが、とても頑張ったという意味です笑!地元の方も手伝いに来てくれましたよ!


そして、さっそく土曜日にボランティアさんも加わりベースのコンクリート打ち。ミキサー車が来るのは午後なので、午前中は周囲の片づけをし、早めに休憩。なんとその日はアワビの開口日だったので、施主の佐藤さんが朝自ら捕ったアワビをみんなにごちうそうしてくれました!ボランティアさんも大喜び!!


【WEEK3:1104-1110】基礎工事:基礎立ち上がり
11月9日に基礎の立ち上がりのコンクリート打ちを控え、平日に型枠組みと墨だし、人通口の補強作業、基礎断熱の準備を行いました。土曜日の午後にミクサー車が来て、名古屋から来たボランティアさんと一緒に作業をしました!コンクリート作業の次の日はお休み!

【WEEK4:1111-1117】基礎工事:基礎天板仕上げ、たたきコンクリート打ちへの準備
11月11日に基礎の天板の仕上げを行いました!セルフレべリングという天板仕上材を使い、ちょっと(ちょっとですよ!)凸凹だった天板がすっかり平らで平行に!ここが曲がると家の土台が曲がってしまうので、無事平らにできて一安心!
木曜日金曜日で京都からきたボランティアさんと一緒にたたきの土を綺麗にし、砕石を敷いて、それから砂を敷いて、気密シートを敷きました。まるでテラミス!と勝手に徳地は興奮していました 笑。土日は名古屋から来たボランティアさんと一緒に、その上に断熱材を隙間なく敷き、その上にまたワイヤーメッシュを組んでいきました。余談ですが、土曜日のお昼は、その日の朝に行われた獣害駆除で仕留められた鹿をBBQで頂いちゃいました!



【WEEK5:1118-1124】基礎工事:基礎たたきコンクリート打ち
今週は平日作業なし。というのは元大工である施主の佐藤さんは、30年前に習ったことを必死に思い出しながら、黒田工務店の棟梁と木材の墨付け作業に勤しんでいました。そして、土曜日はボランティアさんと一緒、前の週に準備を行ったたたき部分のコンクリート打ち!最後にせっかく平らにしたところに、施主の佐藤さんの至っての希望により、みんなで記念の手形!二週間後には塞がれちゃって見えなくなりますが、嬉しいものですね!

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以上が、本格的に建築作業を始めてからの、これまでの活動です。今後は週に一度は進捗状況を更新します!加えて、活動に協力してくださっている地元の方の人物紹介も織り交ぜて行く予定なので、定期的にブログにお越し下さい。

最後に、協力のお願い。活動を進めて行く上で、まだまだボランティアさんの力が必要です。一日も早く、佐藤さんが安心して暮らせる家を完成させるために、活動にご参加ください。それでは、大船渡でみなさんと共に活動できる日を楽しみにしています♪

◆12月大船渡ボランティア募集はこちら


2013年11月20日水曜日

東北スタッフ便り (その16)

【東北スタッフ便り 2013.11.21】

みなさんこんにちは、大船渡の徳地です。

本日は大船渡の隠れた名物、ハビタットでお手伝いしてくださっている小笠原至郎先生のご紹介です。大船渡にボランティアに来られた方でしたらお会いしたことのある方も少なくないと思います。

至郎先生はもともと中学校の体育の先生でなんと60歳の定年までずっと大船渡及び大船渡周辺の中学校で教鞭を執っておれらました。大船渡で、石を投げれば教え子か、その親戚にあたる程、大船渡の方をよくご存知です(徳地誇張 笑)。

現役時代は、体育だけでなく、技術や美術も担当されていました。それもあってか、今の趣味は木工と陶芸。絵も好きで、出勤日以外でも事務所に来て、スタッフの似顔絵を描いて行ったりします。

至郎先生は元先生だけあって、教えたりするのがとても上手。またとてもお茶目な方なので、大船渡にこられたボランティアさんの間では大人気です。その人気はやもすれば、大船渡のマスコットの健さん(ハビタット大船渡スタッフの一人です)を凌ぐほどです。ただし、健さんよりレアキャラですので、ボランティアに来た方みんなが会えるわけではありません。小さい学校に勤めた時は、教員が足りず、数学まで教えたこともあるんだぞ、とちょっと誇らしげに言ったり、スタディーツアーの際に、列の後ろで私やボランティアさんの服に「くっつく雑草の種」を投げ付けたり。何かと必要以上に重く受けとめてしまいがちな時に、ふと、もっと自然体でいいんだよ、と言われたような気がしました。もっと自然体で、受け取れる程度に受け止めていいよ、と。


ボランティアに来る方の中ではやけに肩肘が貼っている方もいらっしゃいますが、奉仕や自己犠牲の気持ちだけでは続かないことを、大船渡に来て一年半の間でよくよく実感しました。誰かに会いたい、それが人をその土地に結ぶ付けるきっかけとなり、そこを訪れる理由になるのだと。
きっと至郎先生にまた会いたくて来るボランティアさんもいるんだろうな、なんて考えながら、それはきっと私自身のことでもあって、私自身、至郎先生をはじめ、大船渡の素敵なおじさんたちにまた会いたいがために、ここを離れた後も、きっとまた帰ってくるじゃないかって。そう思ったりしています。

みなさんは大船渡に会いに戻りたいって思う人、まだいませんか?


2013年11月14日木曜日

事務局: 台風30号被災者支援を開始しました!

【事務局便り2013.11.14】

こんにちは。ハビタット・ジャパンの高橋です。皆さんも報道を見てご存知かと思いますが、11月8日にフィリピンを襲った台風30号に関して、ブログで現状とハビタットの支援活動についてシェアさせていただきます。(ブログでの報告が遅れすみません!


ハビットのフィリピンオフィスより届いたフィリピン国家災害軽減・管理評議会(The Philippines National Disaster Risk Reduction and Management Council)による14日付の被災状況をお伝えします。

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死者数: 2357名
被災者数: 全43件で800万名以上
避難者数:53万名以上
被災家屋軒数(半壊・全壊含む):23万軒以上
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ブログをご覧の皆さんも、新聞やテレビなどの報道を通じてご存知かと思いますが、この台風の規模は今年発生した中で最大、史上4番目の規模とのことです。また、上陸時の規模から見ると史上最大とも言われ、台風がもたらした暴風雨と高潮により、沿岸部の入江に位置する集落や台風が通過した建物は壊滅的な状態にあります。

既にハビタット・ジャパンのホームページや号外でお送りしたメールマガジンを通じて、最新の情報が届いていらっしゃる方もいるかと思いますが、ハビタットは、この自体を受けて被災者支援の実施を決定しました。震災直後からハビタット・フィリピンのスタッフが被災各地に入り初動調査を行っている一方、昨日から、一部地域で、雨風をしのぐために最低限必要な資材が入った住居修繕キットや、泥やがれきを片付け被災した家屋を衛生的に保つための道具が入ったクリーンナップキットの配布を開始しました。

ハビタット・フィリピンが計画している被災者支援の活動内容は次の通りです。
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住居修繕キットの配布 30,000個  
被災した家屋を修繕するために必要となる亜鉛めっき鋼板や釘などの資材が入ったキット。鋼板は破損した壁や屋根を補修する資材として使用されます。

○住居修繕キット: 15,000ペソ(約35,000円)/個


クリーンナップキットの配布 50,000個
被災した家屋に流れ込んだ泥やがれきを片付けるために必要な掃除道具が入ったキット。その場しのぎで暮らさなければならない場所を衛生的に保つために使われます。

○クリーンナップキット: 2,000ペソ(約5000円)/個


コア・ハウスの建築 10,000戸
ハビタット独自の技術を生かすと同時に、「スフィア基準」(広さや強度、衛生等に関する人道支援国際基準)にも配慮して設計された基本的な住居がコア・ハウスです。最低限人間が暮らしていくのに必要な空間と衛生面を備えています。

○コア・ハウス: 120,000ペソ(約280,000円)/戸

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ハビタット・ジャパンはフィリピンで行うこれらの支援活動をサポートすべく、日本国内での寄付金の受付けを12日より開始しています。ハビット・フィリピンの支援活動を通じて、一人でも、一世帯でも多くの方が安心して暮らせる場所を取り戻せるよう、皆さまのご協力をお願いします。支援募金の振込先は以下の通りです。
 

【郵便口座】
 口座番号:00100-2-278431 
 口座名義:(特活)HFHジャパン

【銀行口座】
 銀行名: 三菱東京UFJ銀行
 支店名: 新宿西支店
 口座番号: 普通0155578
 口座名義: トクヒ)ハビタット フォー ヒューマニティ ジャパン



※ 郵便振込の場合には、通信欄に、お名前やご連絡先のほか、「ハイエン」とお書きください。銀行振込を利用の際は、メール(info@habitatjp.org)や電話(03-6459-2070)にてお振込みの旨お知らせください。





2013年11月5日火曜日

東北スタッフ便り (その15)

【東北スタッフ便り 2013.11.01】


こんにちは、宮城オフィスの大谷です。

10月中旬から下旬にかけて、宮城県多賀城市にある山王仮設住宅で、雨除けのひさし作り講習会を開催し、住民のみなさんとともに27世帯にひさしを設置しました。

支援実施のきっかけとなった多賀城市社協復興支えあいセンターの菊地啓さんよりお話をうかがいましたので、菊地さんへのインタビューを通じて、支援の様子、復興の様子をご紹介します。

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■「多賀城市における支援の現状」について
震災発生時から平成24年度中期あたりまでは、行政による被災地域住民に対する支援は手厚いとは言えない状況でした。しかし、現在は少しずつではありますが、支援の手が届きつつある状況だと思っています。多賀城市各部署が手分けし、被災者健康確認・訪問指導事業等や当社協復興支えあいセンターによる、地域訪問や地域サロンが実施され、改善傾向にあると感じています。
時間の経過と共に、健康面・心のケア問題を抱える方が増す一方、再築したいけれども最低限の補修しか出来ていない状況もあり、金銭面での悩みが増加すると思われます。こういった状況の中で、ハビタットさんによる支援は大変有効であると感じています。多賀城市では、仮設住宅の管理会社が仮設内に常駐しているため、毎日入居者を訪問する事で心の不安を取り除くなどの体制を整えてきましたが、一方、震災から2年半が経過した今でも、自立に向けた心の準備が進められていない方がいます。今回ハビタットさんが実施したひさし作り講習会では、受け身一方だった入居者が率先して作業に臨んだ事で、自立再建にむけた意識が一段高まったと感じます。また、ひさしを作る際は、地域住民もお手伝いに駆けつけ、地域と仮設住民の交流が図れたことは、地域再建に大きな成果を残したと思います。

■「支援に至るまでの経緯」について
ひさし設置は、住民からの兼ねてからの要望でした。自治会がアンケート調査を実施した結果、36世帯中24世帯(最終設置件数は27世帯)が設置を希望していることが分かり、山王仮設の自治会より当社協復興支えあいセンターに対して支援調整の依頼が入りました。そこで、今回、建築系の支援をされているハビタットさんへ設置協力をお願いする運びとなりました。仮設住民は支援に対して受け身になりがちなことから、ひさし作りでは、ハビタットさんと協力して、住民が主体となることを目指しました。そのために、事前説明会を開催し、入居者同士のコミュニケーションを図りながら協力して製作・設置することが支援の前提である事を住民に伝えました。一方、ハード面では、ハビタットさんと、どういった形でひさしを取り付けることができるか検討を重ねました。多賀城市の仮設住宅は、その構造物の所有権が施工会社にあることから、当初、構造物へ穴をあけてひさしを設置する事が出来ないとの指針が市より示されていました。しかしながら、後日、多賀城市が宮城県および施工会社へ再度照会し、穴を開けて良いとの見解がなされたため、最終的には構造物に穴を開けて直接ビスを打つ工法で、風雨にたえる頑丈なひさしを設置することができました。当初は、構造物に穴を開けない形でのひさしを検討して頂く等、ハビタットさんには無理難題なリクエストもあったと思いますが、それでも依頼に応じて検討、設計して頂く等の対応をしていただき、大変ありがたく思っています。今回の支援を振り返ると、入居者が協力して実施した今回のような催しは過去にはないと思います。住民さんからは、感謝はもちろんですが、「楽しかった!!」との声もあり、作業が楽しかった事はもちろん、作業を通じて今までにない住民同士のコミュニケーションが図られた事に対して、楽しいとの思いもあるのだと思っています。


■全国のボランティアさんへのメッセージ
東日本大震災による復興支援に携わるボランティアの方々には、日々感謝しております。
多賀城市は災害公営住宅の建設が始まり、住民さんも次のステップにむけて懸命に頑張っているところです。震災当初は「なんでもしてあげる。」でも良いのですが、現在は住民主体で対応していく等、時間の経過とともに、ニーズやその対応も変化してきています。もちろん、地元の違いによってもニーズ、対応が変わると思いますが、そのような事を頭の片隅に置いて頂き、東日本大震災に係るボランティア活動をお願いしたいと思います。

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山王仮設の住民の皆さま、また地域住民の皆さま、ひさし設置お疲れ様でした!!そして、このブログをご覧くださる皆様、11月も引き続き岩手・宮城でボランティアを募集しています。ご参加ください。

◇東北復興支援ボランティア募集中!
詳細・お申し込みはこちら(http://www.habitatjp.org/jpblog/2012/05/20120518TVR.html