2013年12月28日土曜日

東北スタッフ便り (その21) : セルフ・ビルド支援 4

【東北スタッフ便り 2013.12.28】

こんにちは。大船渡の徳地です。年内最後のセルフ・ビルド支援の進捗です。

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【WEEK9:1216-1223】棟上げ後の金具取り付け

棟上げが済んで、家の形が見えてきて、まあできたも同然だなと、ついついちょっと油断してしまいそうですが、実はこれからが大変。細かく、見た目ではあまり大きな変化がない作業が多くあるため、何日も何日も作業しても全然前に進んでいないような、そんな錯覚にとらわれるそうです。まさにその片鱗を見た一週間でした。

棟上げしてから各所に金具を取り付けます。隅柱には上下に大きい引き込むような金具Aを、その他柱には固定する金具Bを、梁と桁にも引き込むような金具Cを、垂木には固定する金具Dを。。。。と場所によって取り付ける金具が違います。(金具の具体的な名前は一般読者を混乱させるとおもってここではわざと(強調)省略しています。最近は遠くでインパクトドライバーの音が聞こえると安心をし、珍しい建物に入ると構造や細部の施工をチェックしてしまうデエク(大工)おたっきー度が増しているので、ここはあえて押さえて、なんとか残り少ない女子力の維持に努めようと思います。みなさまもご協力を 笑)

昔はこんなに金具を付けなかったそうですが、今は金具だらけ。金具の発達によってより便利にそして強固になってきていますが、30年前に大工修行した施主の佐藤さん(仮名)も驚き半分、ちょっとした不満が半分で施工しているみたいです。やっぱり昔ながら(なんなら木の釘で!!)が一番風情があっていいと思っている?みたいです。

ちなみに大船渡を含めたこの地域の大工は昔から大変腕に定評があり、気仙大工と、気仙(大船渡、陸前高田、住田)地域の大工集団は呼ばれていたそうです。大工として全国に出稼ぎをし、そして故郷に戻ってきて、技を伝えていきます。その繰り返しが類まれな有能な大工集団をこの地域で作り出したそうです。その土地柄なのか、そこらへんのおばさんでもちょっとした建築論の薀蓄を垂れたりしますし、佐藤さん含め、みなさんとても住宅や建築にこだわりがあます。(中には公営住宅に入るのがさも人生最大の屈辱のように言う方がいらっしゃるのもこのような背景があるのかもしれませんね。)

週末はボランティアさん5名に来ていただいきました。天気もだんだん氷点下になってきて、外での作業がだんだん辛くなってきました。地味な作業でしたが、お陰様で大変助かりました!ありがとうございます!!


2013年12月18日水曜日

東北スタッフ便り (その20) : セルフ・ビルド支援 3

【東北スタッフ便り 2013.12.18】

こんにちは。大船渡の徳地です。セルフ・ビルド支援の進捗、週に一度更新していく予定でしたが、先週はさぼってしまいました。すみません。そこで、今日は2週分の進捗を一挙に公開していきます。

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【WEEK7:1202-1208】土台の据え付け

先先々週の工場詰めの一週間が過ぎ、先々週はそれら工場で加工したものを現場に持ってきて、いよいよ取り付けです。まずは土台の据え付けを行いました。

基礎を作った際に埋め込んだアンカーボルトなどの位置を図りながら、土台のほうに穴をあけて行きます。この作業をへてやっと土台は基礎の上にちゃんとのり、そしてずれなくなります。施主の佐藤さん(仮名)の大工の腕は三十年前のもと。ちょっと忘れていたり、間違えたり、そしてそれを修正しながら作業していきます。時には工期などのストレスから佐藤さんの顔が日に日に険しくなっていくのを必死にフォローをしたり、ああ、この仕事は大工の見習いでもなく、関係者間のただの調整役でもなく、ボランティアを受け入れているだけでもなく、本当に、深く深く一人の人と関わり、向かい合う支援だと、改めて考え直したりしています。


週末には、日本ヒルティ株式会社の社長含め、社員総勢16名が、ボランティアをしに、はるばる大船渡まで来てくれました。主な作業は、玄関脇にあるポーチの基礎工事と、その土台のお手伝い!(そしてなんとお隣の南区公民館の壊れていた床板の修繕も行いました!!!感謝!)



とまあ、土台が無事に据え付けられたら、いよいよ棟上げです!!



【WEEK8:1209-1215】棟上げ

棟上げは今まで地面に這いつくばっていた作業から一
点、いままで刻んでいたものを一気に組み立てることを指します。この作業ばかりは高所の作業や重くて長い材料を大量に運ばなきゃいけないということで、クレーンを使用。本職の大工さん3人に来てもらいました!

柱を建てて、梁を渡し、金具で固定。これを順序良くやって行きます。この順序良くが結構難しくて(たぶん、担当していた大工さんはスイスイとやっていましたが。。)、順序を間違えると予定していた方向に組めなかったり、二度手間になったり。そして、徐々に家らしくなっていくのでした。

一気に組み立てると言っても、一気には組みあがらないので、大工さんが帰ったあとも、佐藤さんとスタッフとでちまちまと金具を取り付けていったり、残った梁を組んだりしていました。


そして、先週末にはまた二名ボランティアさんが参加。人数はすくなかったものの、とても大事な鋼製束の設置作業を行っていただきました。これは根太を支えるためのもので、根太が床を支えます!これがきちんと行われないと、数年後には床が「かふがふ」してしまうかもしれません。(注:がふがふはここの言葉でゆるゆる、ぶかぶかと類似した意味です。)

また、徳地は家の枠を組むという行為を棟上げと勘違いしていましたが、実は垂木が上がるのが棟上げといいます。実際、垂木を苦労してあげたら、屋根の形が現れ、ぐっと家を作っているという実感がわいてきました。15日は大安の日。この日に略式ですが棟上げ式を行い、餅はまきませんでしたが、BBQを行いました。その後は、神主さんが来て、祈祷を行いました。
とても寒い日だったので、施主の佐藤さんが思わず神主さんに「寒いから短めにお願い!」と注文を付けていました!この辺も地元ならではだな、とその言葉を聞いていたスタッフとボランティアさんは笑っていました。



今後は細かい作業が続き、やってもやっても終わらない錯覚に陥るそうです。が、佐藤さん、またお手伝いに来てくださる地元住民の方、ボランティアの方、これからも力を合わせ、完成に向けて頑張りましょう!!


◆セルフ・ビルド支援 バックナンバー
2013.12.06 セルフ・ビルド支援 2 (11月25日-12月1日)
2013.11.26 セルフ・ビルド支援 1(10月13日-11月24日)



2013年12月17日火曜日

東北スタッフ便り (その19) : 「越喜来展」のご紹介

【東北スタッフ便り 2013.12.17】

こんにちは、大船渡の徳地です!先週のセルフ・ビルドのご報告が滞っていてすいません。でも、ビッグニュースがありますので、待った分期待していてください!

さて、今日はセルフ・ビルドではありませんが、関連して一つお知らせがあります!

セルフビルドが行われているのは大船渡市の越喜来地区で、セルフ・ビルドの基礎部分の指導などをかってでてくださっているのは、越喜来地区の片山建設社長、片山和一良さん(和一さん)です。和一さんは、ハビタットがソーラー発電システムの導入支援を行った南区公民館の区長であり、しかも、例の潮目の作者、とまあ、ハビタットは大変、越喜来と和一さんとは関係が深いのです。その関係で、実は以前、越喜来のまちづくりのために、ハビタットはボランティアと一緒に、越喜来の復興計画を視覚的に見るためのジオラマを作成しました。

ジオラマは、復興のためのまちづくりに必要なもので、なにをどこにどうするのかを話し合う際に使われます。このジオラマが、この度、東京出張いたします!!チーム越喜来という越喜来を応援したい個人ボランティアの集まりが、東京の原宿で【越喜来展】を企画し、今日から開催です!!!そこで、ハビタットのボランティアが作り上げたジオラマが展示される予定です!!

開催日時 : 2013年12月17日(火)から12月23日(月・祝)
開催場所 : 原宿ブロックハウス

※詳細はこちらよりご確認ください:http://blockhouse.jp/693

越喜来展では地元のおばちゃんたちが(わざわざ上京して!)縄をなうワークショップ(どんこ汁【発音:どんこづる】)が開催されたり、越喜来の食材で作った料理を出す食堂があったり、越喜来と潮目と和一さんを撮った写真展があったり。和一さんのトークショウは、残念ながら多忙のため上京出来ず、中止になりましたが、本当に見どころ盛りだくさんのイベントです!!!徳地もあああああ、行きたいと思っています。。。(セルフビルドの大事な時期でいけないけど、、、、わーん)ということで、みなさん越喜来展@原宿まできてけらっせん!!(気仙語あってる? 笑)



2013年12月12日木曜日

国内:ボランティア体験談(東北その15)

【ボランティア体験談 @東北 2013.11.30-12.01】
投稿者:東北大学チーム/ ハビタット・ジャパンが宮城で行う復興支援活動に参加
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こんにちは。東北大学工学部2年、学生団体”As One”の上田 格(いたる)です。

僕たちはハビタットのプログラムで先日11/30と12/1に宮城県東松島市矢本地区の仮設住宅と女川にあるコミュニティスペース”ゆめハウス”を訪れました。矢本地区の仮設住宅では、住民の要望を受け、ハビタット・ジャパンが毎年クリスマス用のイルミネーションを藤棚に飾り付けています。また、女川では、その地区に唯一残った建物をコミュニティスペースとして活用しようとする一般社団法人コミュニティスペースうみねこの構想に協力するため、”ゆめハウス”と名付けられたこの建物の修繕をお手伝いしています。僕たち東北大学の学生団体"As One"は、青山学院大学にあるハビタット・ジャパン学生団支部”SHANTI SHANTI”と共に、現地へ赴き、これらの活動をボランティアとしてお手伝いさせていただきました!


2日を使い、イルミネーションの設置は完了させることができましたが、”うみねこ”の修善は完成に至ることができませんでした。これから自分たち宮城の大学生が継続的に、そして密接にお手伝いをすることで、一日も早く”ゆめハウス”を完成させられるよう、がんばります!そして、微力ですが、復興が少しでも早く進むことを願って活動したいです。

そのために、僕たち”As One”が先頭に立ち、率先して仙台市内、宮城県内の学生を中心に多くの人にこの活動を広めていきたいです!そして、各大学にハビタット・ジャパンの学生支部ができたら、宮城県内でネットワークを繋げて、学生支部をベースに学生も一般の方もボランティア活動に参加しやすい環境を作るというのが今の僕らの目標です。

“As One”という名前にも込めたように、ボランティアの協力を受ける方もボランティアをする方も全員が”ひとつ”になって宮城を、そして東北を盛り上げていけたらこれ以上のことはありません。これから”As One”はどんどん躍進していきますよ!!みなさんよろしくお願いしますね!!

2013年12月6日金曜日

東北スタッフ便り (その18) : セルフ・ビルド支援 2

【東北スタッフ便り 2013.12.06】

ハビタット大船渡事務所の徳地です。先日、これまでの”セルフ・ビルド支援”の様子をブログで紹介しましたが、ご覧いただけていますか?お約束通り、先週一週間の建築活動の様子をお伝えします。

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【WEEK6:1125-1201】木工工事準備その他:墨付け、刻み、周辺整備
先週に次いで、木工工事のための準備を行いました。墨付けと刻み。なんと大工の本髄が発揮されるこの墨付けと刻みに大船渡スタッフの小松と徳地も微力ながら参加させて頂きました。墨付けと刻みの作業を行ったのは、黒田工務店さんの工場。無償で場所と機械を使わせて頂いております。感謝!!

日中太陽が出ている間は、工場の外で刻み。手順やコツを教わってひとつひとつ丁寧に穴をあけていきます。夕方は工場内で電気をつけて墨付けのお手伝い。施主の佐藤さん(仮名)の指示に従い、サインペンで木に印をつけていきます(これが墨付け。おそらく、もともとはペンではなく墨で印をつけていたため。佐藤さんは昔の習わしを頑なに守り、未だに墨でつけていますが、徳地は先鋭的に(?)サインペンを使用 笑)。プラモデルに例えると、この墨付けは、組み立てるために凸凹をどうするかの印をつけること。そして刻みがその凸凹を実際に作ること。墨付けが終わると、今度はそれを機械を出して刻み作業を。大量のおが屑がでるので、徳地は目と口などを塞いでの作業。仰々しい感じになってしまいました!



土日はボランティアの協力の元、作業を進めます。もともと木が覆い茂っていて、日当たりの悪かった佐藤さん宅ですが、片山さんの協力のもと不要な木や雑草を狩り、敷中周辺を整理しました!これできっと、もっとすごしやすくなったはず!


次の週はいよいよ木工工事の本格始動?乞うご期待!!

2013年11月26日火曜日

東北スタッフ便り (その17) : セルフ・ビルド支援 1

ハビタット大船渡事務所の徳地です。いきなりですが、みなさん”セルフ・ビルド支援”とは何か、ご存知でしょうか?初めて聞く方、こちらをクリックしてください!

大船渡事務所が取り組むこのセルフ・ビルド支援、10月から建築活動を始めています。これまでの活動模様を振り返りたいと思いますので、お茶菓子を用意し、じっくりご覧ください。

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【WEEK0 :1013】地鎮祭
大安の10月13日に地鎮祭を行いました。普段シャイな施主の佐藤(仮名)さんも、今日ばかりは、みんなに前に進められ最前列に立っていました。工事期間中何事もなく、最後まで安全でいられますように。

【WEEK1:1023-1027】確認申請許可と遣り方
10月23日に念願の建築確認申請が下りました。さっそくその日に遣り方と呼ばれる作業を佐藤さんと共に開始。建築予定の場所の周辺に高さや建てる位置の基準となる線/糸を張るための板を杭を打って取り付けました。

その週末にはセルフビルドの初のボランティア受け入れ!参加者は少数でしたが、家の基礎を作るために、地面を機械を使って掘り、砂利を入れて行きました。基礎工事に関しては、地元である越喜来で建設業を営む片山建設社長、片山和一良さん(通称ワイチさん)が指導をしてくれています。感謝!

【WEEK2:1028-1103】基礎工事:捨てコンクリートとベースコンクリート
10月28日に掘った基礎にコンクリート打ち。捨コンと呼ばれる部分です。一番下に枠などないまま打つもので、その上に家の基礎となる部分のコンクリートをしっかり枠を組んで作ります。
11月2日の午後に基礎のベースコンクリート打ちを行うに向けて、佐藤さんとスタッフでベースのための木枠を組み、鉄筋を組み、鉄筋を補強し、ここまで打つんだよ!という墨を出しました。日夜作業して何とか間に合わせました。もちろん夜は作業していませんが、とても頑張ったという意味です笑!地元の方も手伝いに来てくれましたよ!


そして、さっそく土曜日にボランティアさんも加わりベースのコンクリート打ち。ミキサー車が来るのは午後なので、午前中は周囲の片づけをし、早めに休憩。なんとその日はアワビの開口日だったので、施主の佐藤さんが朝自ら捕ったアワビをみんなにごちうそうしてくれました!ボランティアさんも大喜び!!


【WEEK3:1104-1110】基礎工事:基礎立ち上がり
11月9日に基礎の立ち上がりのコンクリート打ちを控え、平日に型枠組みと墨だし、人通口の補強作業、基礎断熱の準備を行いました。土曜日の午後にミクサー車が来て、名古屋から来たボランティアさんと一緒に作業をしました!コンクリート作業の次の日はお休み!

【WEEK4:1111-1117】基礎工事:基礎天板仕上げ、たたきコンクリート打ちへの準備
11月11日に基礎の天板の仕上げを行いました!セルフレべリングという天板仕上材を使い、ちょっと(ちょっとですよ!)凸凹だった天板がすっかり平らで平行に!ここが曲がると家の土台が曲がってしまうので、無事平らにできて一安心!
木曜日金曜日で京都からきたボランティアさんと一緒にたたきの土を綺麗にし、砕石を敷いて、それから砂を敷いて、気密シートを敷きました。まるでテラミス!と勝手に徳地は興奮していました 笑。土日は名古屋から来たボランティアさんと一緒に、その上に断熱材を隙間なく敷き、その上にまたワイヤーメッシュを組んでいきました。余談ですが、土曜日のお昼は、その日の朝に行われた獣害駆除で仕留められた鹿をBBQで頂いちゃいました!



【WEEK5:1118-1124】基礎工事:基礎たたきコンクリート打ち
今週は平日作業なし。というのは元大工である施主の佐藤さんは、30年前に習ったことを必死に思い出しながら、黒田工務店の棟梁と木材の墨付け作業に勤しんでいました。そして、土曜日はボランティアさんと一緒、前の週に準備を行ったたたき部分のコンクリート打ち!最後にせっかく平らにしたところに、施主の佐藤さんの至っての希望により、みんなで記念の手形!二週間後には塞がれちゃって見えなくなりますが、嬉しいものですね!

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以上が、本格的に建築作業を始めてからの、これまでの活動です。今後は週に一度は進捗状況を更新します!加えて、活動に協力してくださっている地元の方の人物紹介も織り交ぜて行く予定なので、定期的にブログにお越し下さい。

最後に、協力のお願い。活動を進めて行く上で、まだまだボランティアさんの力が必要です。一日も早く、佐藤さんが安心して暮らせる家を完成させるために、活動にご参加ください。それでは、大船渡でみなさんと共に活動できる日を楽しみにしています♪

◆12月大船渡ボランティア募集はこちら


2013年11月20日水曜日

東北スタッフ便り (その16)

【東北スタッフ便り 2013.11.21】

みなさんこんにちは、大船渡の徳地です。

本日は大船渡の隠れた名物、ハビタットでお手伝いしてくださっている小笠原至郎先生のご紹介です。大船渡にボランティアに来られた方でしたらお会いしたことのある方も少なくないと思います。

至郎先生はもともと中学校の体育の先生でなんと60歳の定年までずっと大船渡及び大船渡周辺の中学校で教鞭を執っておれらました。大船渡で、石を投げれば教え子か、その親戚にあたる程、大船渡の方をよくご存知です(徳地誇張 笑)。

現役時代は、体育だけでなく、技術や美術も担当されていました。それもあってか、今の趣味は木工と陶芸。絵も好きで、出勤日以外でも事務所に来て、スタッフの似顔絵を描いて行ったりします。

至郎先生は元先生だけあって、教えたりするのがとても上手。またとてもお茶目な方なので、大船渡にこられたボランティアさんの間では大人気です。その人気はやもすれば、大船渡のマスコットの健さん(ハビタット大船渡スタッフの一人です)を凌ぐほどです。ただし、健さんよりレアキャラですので、ボランティアに来た方みんなが会えるわけではありません。小さい学校に勤めた時は、教員が足りず、数学まで教えたこともあるんだぞ、とちょっと誇らしげに言ったり、スタディーツアーの際に、列の後ろで私やボランティアさんの服に「くっつく雑草の種」を投げ付けたり。何かと必要以上に重く受けとめてしまいがちな時に、ふと、もっと自然体でいいんだよ、と言われたような気がしました。もっと自然体で、受け取れる程度に受け止めていいよ、と。


ボランティアに来る方の中ではやけに肩肘が貼っている方もいらっしゃいますが、奉仕や自己犠牲の気持ちだけでは続かないことを、大船渡に来て一年半の間でよくよく実感しました。誰かに会いたい、それが人をその土地に結ぶ付けるきっかけとなり、そこを訪れる理由になるのだと。
きっと至郎先生にまた会いたくて来るボランティアさんもいるんだろうな、なんて考えながら、それはきっと私自身のことでもあって、私自身、至郎先生をはじめ、大船渡の素敵なおじさんたちにまた会いたいがために、ここを離れた後も、きっとまた帰ってくるじゃないかって。そう思ったりしています。

みなさんは大船渡に会いに戻りたいって思う人、まだいませんか?


2013年11月14日木曜日

事務局: 台風30号被災者支援を開始しました!

【事務局便り2013.11.14】

こんにちは。ハビタット・ジャパンの高橋です。皆さんも報道を見てご存知かと思いますが、11月8日にフィリピンを襲った台風30号に関して、ブログで現状とハビタットの支援活動についてシェアさせていただきます。(ブログでの報告が遅れすみません!


ハビットのフィリピンオフィスより届いたフィリピン国家災害軽減・管理評議会(The Philippines National Disaster Risk Reduction and Management Council)による14日付の被災状況をお伝えします。

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死者数: 2357名
被災者数: 全43件で800万名以上
避難者数:53万名以上
被災家屋軒数(半壊・全壊含む):23万軒以上
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ブログをご覧の皆さんも、新聞やテレビなどの報道を通じてご存知かと思いますが、この台風の規模は今年発生した中で最大、史上4番目の規模とのことです。また、上陸時の規模から見ると史上最大とも言われ、台風がもたらした暴風雨と高潮により、沿岸部の入江に位置する集落や台風が通過した建物は壊滅的な状態にあります。

既にハビタット・ジャパンのホームページや号外でお送りしたメールマガジンを通じて、最新の情報が届いていらっしゃる方もいるかと思いますが、ハビタットは、この自体を受けて被災者支援の実施を決定しました。震災直後からハビタット・フィリピンのスタッフが被災各地に入り初動調査を行っている一方、昨日から、一部地域で、雨風をしのぐために最低限必要な資材が入った住居修繕キットや、泥やがれきを片付け被災した家屋を衛生的に保つための道具が入ったクリーンナップキットの配布を開始しました。

ハビタット・フィリピンが計画している被災者支援の活動内容は次の通りです。
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住居修繕キットの配布 30,000個  
被災した家屋を修繕するために必要となる亜鉛めっき鋼板や釘などの資材が入ったキット。鋼板は破損した壁や屋根を補修する資材として使用されます。

○住居修繕キット: 15,000ペソ(約35,000円)/個


クリーンナップキットの配布 50,000個
被災した家屋に流れ込んだ泥やがれきを片付けるために必要な掃除道具が入ったキット。その場しのぎで暮らさなければならない場所を衛生的に保つために使われます。

○クリーンナップキット: 2,000ペソ(約5000円)/個


コア・ハウスの建築 10,000戸
ハビタット独自の技術を生かすと同時に、「スフィア基準」(広さや強度、衛生等に関する人道支援国際基準)にも配慮して設計された基本的な住居がコア・ハウスです。最低限人間が暮らしていくのに必要な空間と衛生面を備えています。

○コア・ハウス: 120,000ペソ(約280,000円)/戸

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ハビタット・ジャパンはフィリピンで行うこれらの支援活動をサポートすべく、日本国内での寄付金の受付けを12日より開始しています。ハビット・フィリピンの支援活動を通じて、一人でも、一世帯でも多くの方が安心して暮らせる場所を取り戻せるよう、皆さまのご協力をお願いします。支援募金の振込先は以下の通りです。
 

【郵便口座】
 口座番号:00100-2-278431 
 口座名義:(特活)HFHジャパン

【銀行口座】
 銀行名: 三菱東京UFJ銀行
 支店名: 新宿西支店
 口座番号: 普通0155578
 口座名義: トクヒ)ハビタット フォー ヒューマニティ ジャパン



※ 郵便振込の場合には、通信欄に、お名前やご連絡先のほか、「ハイエン」とお書きください。銀行振込を利用の際は、メール(info@habitatjp.org)や電話(03-6459-2070)にてお振込みの旨お知らせください。





2013年11月5日火曜日

東北スタッフ便り (その15)

【東北スタッフ便り 2013.11.01】


こんにちは、宮城オフィスの大谷です。

10月中旬から下旬にかけて、宮城県多賀城市にある山王仮設住宅で、雨除けのひさし作り講習会を開催し、住民のみなさんとともに27世帯にひさしを設置しました。

支援実施のきっかけとなった多賀城市社協復興支えあいセンターの菊地啓さんよりお話をうかがいましたので、菊地さんへのインタビューを通じて、支援の様子、復興の様子をご紹介します。

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■「多賀城市における支援の現状」について
震災発生時から平成24年度中期あたりまでは、行政による被災地域住民に対する支援は手厚いとは言えない状況でした。しかし、現在は少しずつではありますが、支援の手が届きつつある状況だと思っています。多賀城市各部署が手分けし、被災者健康確認・訪問指導事業等や当社協復興支えあいセンターによる、地域訪問や地域サロンが実施され、改善傾向にあると感じています。
時間の経過と共に、健康面・心のケア問題を抱える方が増す一方、再築したいけれども最低限の補修しか出来ていない状況もあり、金銭面での悩みが増加すると思われます。こういった状況の中で、ハビタットさんによる支援は大変有効であると感じています。多賀城市では、仮設住宅の管理会社が仮設内に常駐しているため、毎日入居者を訪問する事で心の不安を取り除くなどの体制を整えてきましたが、一方、震災から2年半が経過した今でも、自立に向けた心の準備が進められていない方がいます。今回ハビタットさんが実施したひさし作り講習会では、受け身一方だった入居者が率先して作業に臨んだ事で、自立再建にむけた意識が一段高まったと感じます。また、ひさしを作る際は、地域住民もお手伝いに駆けつけ、地域と仮設住民の交流が図れたことは、地域再建に大きな成果を残したと思います。

■「支援に至るまでの経緯」について
ひさし設置は、住民からの兼ねてからの要望でした。自治会がアンケート調査を実施した結果、36世帯中24世帯(最終設置件数は27世帯)が設置を希望していることが分かり、山王仮設の自治会より当社協復興支えあいセンターに対して支援調整の依頼が入りました。そこで、今回、建築系の支援をされているハビタットさんへ設置協力をお願いする運びとなりました。仮設住民は支援に対して受け身になりがちなことから、ひさし作りでは、ハビタットさんと協力して、住民が主体となることを目指しました。そのために、事前説明会を開催し、入居者同士のコミュニケーションを図りながら協力して製作・設置することが支援の前提である事を住民に伝えました。一方、ハード面では、ハビタットさんと、どういった形でひさしを取り付けることができるか検討を重ねました。多賀城市の仮設住宅は、その構造物の所有権が施工会社にあることから、当初、構造物へ穴をあけてひさしを設置する事が出来ないとの指針が市より示されていました。しかしながら、後日、多賀城市が宮城県および施工会社へ再度照会し、穴を開けて良いとの見解がなされたため、最終的には構造物に穴を開けて直接ビスを打つ工法で、風雨にたえる頑丈なひさしを設置することができました。当初は、構造物に穴を開けない形でのひさしを検討して頂く等、ハビタットさんには無理難題なリクエストもあったと思いますが、それでも依頼に応じて検討、設計して頂く等の対応をしていただき、大変ありがたく思っています。今回の支援を振り返ると、入居者が協力して実施した今回のような催しは過去にはないと思います。住民さんからは、感謝はもちろんですが、「楽しかった!!」との声もあり、作業が楽しかった事はもちろん、作業を通じて今までにない住民同士のコミュニケーションが図られた事に対して、楽しいとの思いもあるのだと思っています。


■全国のボランティアさんへのメッセージ
東日本大震災による復興支援に携わるボランティアの方々には、日々感謝しております。
多賀城市は災害公営住宅の建設が始まり、住民さんも次のステップにむけて懸命に頑張っているところです。震災当初は「なんでもしてあげる。」でも良いのですが、現在は住民主体で対応していく等、時間の経過とともに、ニーズやその対応も変化してきています。もちろん、地元の違いによってもニーズ、対応が変わると思いますが、そのような事を頭の片隅に置いて頂き、東日本大震災に係るボランティア活動をお願いしたいと思います。

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山王仮設の住民の皆さま、また地域住民の皆さま、ひさし設置お疲れ様でした!!そして、このブログをご覧くださる皆様、11月も引き続き岩手・宮城でボランティアを募集しています。ご参加ください。

◇東北復興支援ボランティア募集中!
詳細・お申し込みはこちら(http://www.habitatjp.org/jpblog/2012/05/20120518TVR.html

2013年10月23日水曜日

東北スタッフ便り (その14)

【東北スタッフ便り 2013.10.23】

こんにちは、大船渡の徳地です。

大船渡はめっきり寒くなってきましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?今回はハビタットが取り組む支援活動のお話ではなく、大船渡という土地のお話をしたいと思います。

徳地が大船渡に引っ越してきてから、二度目の冬を迎えようとしています。「大船渡、岩手でしょ、東北でしょ、寒いでしょ?」と言われることがよくあるのですが、実は大船渡は岩手の湘南と呼ばれていて(大船渡人以外がそう呼んでいることを聞いたことはありませんが)、雪は積もらず、過ごしやすいと言われています。もちろんこれは雪で街が埋もれて、道路が凍って、冬には工事が出来ない岩手内陸などと比べた場合の話ですので、内臓が凍えるくらいに寒いことはやはり寒いのですが(笑)。ボランティアに来る際には寝袋以外に布団か毛布をご持参することをお勧めします。

大船渡の秋の味覚といえば秋刀魚と言うように、その水揚げ量では本州一位(昨年実績)、秋になるとあらゆるところで秋刀魚が贈られ、振る舞われます。徳地もなんどか困るくらい秋刀魚をもらい、焼き秋刀魚はもちろん、それだけだと飽きて食べきれないので、秋刀魚の梅煮やつみれ汁も作って、図らずしも、レパートリーが増えてしまいました。また、山で採ったキノコ(時には松茸も!)を頂いたりする日には、食卓が秋刀魚とキノコ尽くしになることもありました。食の味に感動するのはもちろんですが、そんな時はなによりも大船渡の豊かな山や海、そして地元の方々の暖かい人柄に感動します。

話は変わりますが、最近東北の歴史について勉強していて(というのは言い過ぎで、東北の歴史に関する本を読んでいて)、そうすると気づくのですが、東北は本当に歴史に富んでいて、それが今でも確認できる所は一杯あるんだな、と。そしてその連綿とした歴史の中で今の大船渡があるのだと改めて実感します。もちろん日本全国津々浦々、様々な歴史があるのは同じかとは思いますが、屋号で呼び合う習慣が残り、誰もかしこもつながりがあり、遺跡があらゆるところに人知れずあるというのは、なかなか理解、発見しがいがあります。海外で生まれ育った徳地は、震災がなければ一生東北と縁もゆかりもない人生を送っていたと思いますが、今となれば大船渡に「帰る」と自然と言っています。ボランティアによく来ていただいている方も私と同じような感覚なのかもしれません。これまでもこれからも、大船渡に帰ってくる人を一人でも増やしたいなと思っています。ちょっとしんみりしてしまった、本日の徳地でした。


※右上、紹介写真の様子ですが、末崎城跡の整備に関連して行った支援の様子です。詳細は次回ご報告しますので、週に一度はブログ確認ください♪

2013年10月16日水曜日

東北スタッフ便り(その13)

【東北スタッフ便り 2013.10.16】

こんにちは。宮城事務所の大谷です。

企業による社会貢献活動の一環として、昨年6月頃、宮城県の活動に5名の社員を派遣してくださった株式会社アルファー食品(島根県出雲市)さまから、今年も非常食アルファ化米などの米飯類の食品をボランティアベースにご寄付いただきました。

ボランティアベースとは、ハビタットがボランティアと共に活動を行う際にボランティアさんに宿泊頂いているボランティア活動の拠点です。津波で被災した東松島市野蒜地区にある元小学校の校舎を利用していますが、歩いて行ける範囲には食堂が一店舗あるのみです。そのため、食事は基本外でとるか、レトルト食品をベースでとるかといった環境です。今回ご寄附いただいたお米は、悪天候により外出できない際などの非常時における食事として活用させていただきます。

震災から2年半が経経過した今、被災地では支援団体やボランティアの数が減って来ているのが現状ですが、被災地の人々の自立を草の根レベルで促すこと、被災地の現状を知ってもらい、震災の風化をくい止めるためにも、ボランティアの存在は地元の人から必要とされています。ボランティアの活動を後押しすることで、復興支援を継続的にご支援くださるアルファー食品さまに感謝し、ここに今回のご寄付をご報告させていただきました。アルファー食品さま、ご支援ありがとうございました!!


■株式会社アルファー食品 藤井明道さんのコメント

「昨年当社より5名の社員がハビタット・ジャパン様のご協力を得て、東北支援ボランティア活動に参加させて頂きました。現地に赴き、我々がまず感じたことは、震災から1年経過したにも関わらずまだまだ復興への道のりは遠く、明らかな「人手不足」でした。これら想像以上の現実を見せつけられたことにより、直後のボランティア作業がいかに微力なものであるのか痛感させられました。しかしながらこれら微力の断続的積み重ねこそ、復興を具現化する唯一の術であることも同時に理解致しました。今後も東北復興への一端を担えるよう、微力ながら力になれればと思います」


2013年10月7日月曜日

国内:ボランティア体験談(東北その14)

【ボランティア体験談 @東北 2013.09.22-09.23】
投稿者:立命館守山高校OBOGチーム/ ハビタット・ジャパンが宮城で行う復興支援活動に参加
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昨年の12月、私たちは震災後、初めて被災地・宮城県を訪れました。そこで、帰り際に耳にした言葉は・・・「来てくれてありがとう」、「忘れないで」、「また来てください」、「また会いましょう」。私たちは、これらの言葉をずっと胸に刻み込み、これまで過ごしてきました。

そして、今年9月、再び宮城県を訪れ、「今の私たちにできる最大限のお手伝い」をさせていただきました。初日・1日目の活動内容は名取市閖上(ゆりあげ)地区に位置する日和山。山海から吹き寄せる潮風から、ハビタットが建てた「東屋」を保護する柱のメンテナンス作業。現地の皆さんが憩いの場として集う東屋では、たくさんの笑顔が溢れていました。「地域の温かみの発信源」として、長く大切に使われるために・・・。

最終日・2日目はハビタットが修繕事業を行った東松島市「川下(かわくだり)地区センター」でのベンチ作り活動。震災後、みなさんの力で修繕された地区センターの庭先に新たにベンチを設けました。ベンチ作りには、現地のみなさんと一緒に指導も受けながら、有意義な時間の中で完成させることができました。温かい心を持った方たちばかりで、私たちもたくさんの勇気をいただきました。
 
今回、私たちは自身2度目のボランティア活動として被災地・宮城県を訪れました。新たな出会いと共に2度目の再会をしたみなさんは、本当にとてもうれしそうに私たちを出迎えてくださりました。

2日間の中で私たちがした活動を振り返れば、被災地全体から見るととても些細なことです。しかし、私たちのその活動によって復興に向けた次なる起爆剤に少しでもなることを期待しています。たとえば、私たちの活動を見ていた幼い子どもたちが、数年後成長した際、私たちをきっかけに震災復興について考え直すように。そのようなことが共鳴していけば、必ず復興への確かな道が開けるはずだと私は信じています。

2013年10月3日木曜日

東北スタッフ便り(その12)

【東北スタッフ便り  2013.10.03】

大船渡三陸町越喜来 大津波資料館【潮目】のご紹介
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みなさんこんにちは、大船渡事務所の徳地です。本日は大船渡の見どころの一つである
大船渡三陸町越喜来にある【潮目】をご紹介いたします。

ボランティアに来られた方であれば【潮目】に行かれた方も多いかと思いますが、誤解を恐れずに【潮目】を一言で形容すると、それはつまり、素敵な古びた秘密基地です。そのまたの名を大津波資料館といいまして、津波当時の写真を含む津波前後の越喜来に関する資料が所せましと飾られています。

津波の波を追った写真、防潮堤から水が溢れ、近づいてきて、家屋を飲み込む。波が来た時刻で止まっている小学校の時計、被災した小学校のピアノなども置いてあります。【潮目】自体も、瓦礫から拾った材料で作られたそうです。2011年3月11日のその一瞬が、凝縮されている展示を前に、言葉を失います。

一方で、【潮目】は子供のための秘密基地でもあります。そこには「押す」と書いてある引き戸があり、子供たちの落書きがあり、狭い階段をのぼって上がる二階、ほふく前進して出口に向かう屋根裏部屋があります。そして、息を切らしてたどり着いた先は越喜来小学校の奇跡の階段。

越喜来小学校の奇跡の階段とは、海のすぐそばに建っていた小学校の二階から近くの地上まで校門をぐるっと回らずに避難できるように、震災の前の年に地元の強い働きかけによって設置された階段です。この階段のおかげで、越喜来小学校は避難時間をぐっと短縮できることになり、津波が来る前に全校生徒を無事避難させることが出来たのです。小学校が解体される際に【潮目】の建設者、片山和一良さん(通称ワイチさん)が重機を手配し、既に手すりなどが壊されていた階段を間一髪で拾ってきました。その奇跡の階段とそこから吊り下げられたタイヤブランコを見るたびに、ここに展示されているのはただの記憶ではなく、後世に伝えるべき教訓でもあるのだと思い起こすようにしています。

復興への思い、震災遺構への考えは人それぞれですが、子供たちが【潮目】で遊ぶ姿はそれら様々な違いの中の一つの正解ではあるような気がしています。

【潮目】には多くのボランティアなども訪れ、震災の記録を目にし、【潮目】の進化に手を貸します。そこから生まれる絆。それから生まれる越喜来への思い、復興への力。被災前の越喜来、被災後の越喜来。越喜来の人、外の人、輪が繋がり、輪が広がります。その中でみんなも、私たちも、一人ひとりできる範囲内で、自然な形で関わり、そして関わり続けることができたらいいなと、徳地は風にたなびく大漁旗を見ながら今日も思うのでした。

2013年9月24日火曜日

事務局: 「東西CC合同ワークショップ」、開催終了のお知らせ

【事務局便り2013.09.24】

こんにちは。ハビタット・ジャパン事務局の高橋です。
今日は、ハビタット・ジャパンと共に世界の貧困住居問題を解消すべく活動している私たちのパートナーである学生支部、通称Japan  Campus Chapter(CC)について投稿したいと思います。

現在、日本全国に22の学生団体がCCとして活動しています。CCの役割は主に3つ。ハビタットが取り組む住居建築活動にボランティアとして参加すること。全てのCCが年に1度は海外の支援現場にチームを派遣し、住居建築活動に携わっています。団体構成員が100名を終えるようなCCでは年に多くて6(!)チームを海外に派遣。私たちの支援活動を支えています。また、ハビタットが進める復興支援活動現場にも赴き、ボランティアとして活動に参加しています。2つ目が、国内における啓発活動。まだまだ知られていない貧困住居問題を知ってもらうために、各CC様々な企画を立ち上げ実施しています。例えば、ちゃりんこプレゼン。数週間かけて各県にある町や学校を自転車で旅して周り、CCとして得たものや感じたことを周りに伝えることでハビタットのことを知ってもらう企画です。そして3つ目がファンドレイジング活動。街頭募金を行ったり、イベントを実施したりしています。

ハビタットと共に歩むCCはハビタットにとって欠かせないパートナーです。そんなCCを対象に、ハビタット・ジャパンでは年に一度、日本全国のCCとハビタットに関心のある学生を一同に集め、合宿を行っています。それがCCの間では名の知れた「東西CC合同ワークショップ」。2日、実質1日という限られた時間ですが、日ごろ会うことができない各CCメンバーとハビタットスタッフ、またCC間の交流を通じて、CCが互いの活動を知り、そこから新たな学びを発見する機会となっています。また、私たちハビタットスタッフにとっても、学生の活動を通じてたくさんの気づきの機会となっています。今年は、9月22-23日に実施。2009年に初開催してから5回目の「東西CC合同ワークショップ」を無事終えることができました。

5年前は、参加人数が70名程度でしたが、なんと今年はその2倍。140名近くの学生が北は北海道、西は大分から集まりました。私自身、これまでに3回合宿を見てきましたが、改めて各CCの成長、また広がりを身に染みて感じることができました。

2日目にハビタットが実施したワークショップでは「5年後のハビタットを考える」がテーマ。CCに入部したばかりの大学1年生には難しいテーマかと心配しましたが、ワークショップが始まると各チームから様々なアイデアが溢れだし、活発に議論が進みました。発表では「CCのOBOG組織化について多数の新しいアイデアを出してもらうことができ、私自身とても多くの刺激を受けました。各CCメンバーが、今ある大学の垣根を超えた横の広がりだけでなく、時間軸としての縦の繋がりを共に考えてくれたことをスタッフ一同とてもうれしく思いました。

ハビタットのCCが横に、そして縦に繋がることで、ハビタットとしての使命を全うすべく支援を続けることができます。一人でも多くの人に幸せが築けるよう、そして支援してくださる方々がその幸せを感じられる様、活動を続けていきます。合宿に参加してくれたCCのメンバー、そしてピンクジャンバース(学生スタッフ)として参加してくれたメンバー、OBOGとして参加してくださった社会人の方々、本当にありがとうございました。








2013年9月17日火曜日

国内:ボランティア体験談(東北その13)

【ボランティア体験談 @東北 2013.08.06-08.07】
投稿者:村上 友香(学生)/ ハビタット・ジャパンが宮城で行う復興支援活動に参加
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こんにちは!静岡文化芸術大学ハビタット学生支部、SUAC Habitat for Humanity 2年の村上友香です。

報告が遅くなりましたが、8月6、7日に宮城県東松島市の野蒜地区周辺でハビタットが進める復興支援活動に参加してきました。チームはSUACハビ在籍の2年生5名、1年生9名の計14名で構成。東北での活動が初めてのメンバーも多かったので、ワーク2日間の中で、スタディーツアーも行っていただきました。

今回私たちが東北派遣を行ったのは、震災から2年が経っても実際に自分で東北に行く機会がなかなかないこと、自分たちの目で現状をしっかり見てほしい、見て感じて考えたことを伝えてほしいという思いがあった、というのが主な理由です。そして、夏休み中ならば多くの人が参加しやすいということで、SUACハビ内で東北派遣を実施することになりました。

日程とチームのメンバーを決めてからはミーティングをしたり、SUACハビの全体ミーティングで東北についてのワークショップを行ったりして、少しずつ準備を進め、東北派遣当日を迎えました。

1日目の朝、現地のハビタットスタッフと合流し、野蒜地区周辺でのスタディーツアーが始まりました。震災で倒壊し使われなくなった野蒜駅、津波で建物が流されて雑草だらけになった土地、壁に残った津波の跡。津波の被害を初めて見る多くのメンバーが衝撃を受けていました
。私が野蒜地区を訪れたのは今回が2回目でしたが、今も変わらない被害の様子に何とも言えない気持ちになりました。しかし、そんな中でも、前回見た時には“く”の字に大きく折れ曲がっていた電灯が真っ直ぐに直されていたり、高台移転のために山の斜面の切り崩し作業が始まっていたり、とほんの少しずつだけど、変わってきていることはあるとも思いました。

スタディーツアーの後は、いよいよワークです!今回私たちは「希望のあかり商店街」というところで活動しました。この商店街は、奥松島を訪問する方々に気持ちよく利用して頂ける「トイレ」を、という思いから地元の門馬さん夫妻が中心となり立ち上げた商店街です。私たちは、ベンチ作り、商品のボトル作りとその袋詰め、草取り、窓洗いを行いました。いくら東北といっても、昼間は暑かったです(笑)。私は最初草取りをしたので汗だくでした!けっこう疲れました。体力落ちてるなーと、ちょっと悲しくなりました(笑)。

初めて活動に参加したメンバーの中には、笑ったり話をしたりせずに真剣にワークしなければ被災地の方に失礼だ、という思いがありました。初日の夜、スタッフのマイケルさんが「喋って楽しくやろう、現地の雰囲気で真面目にやるか楽しくやるか決めなさい」というお話をしてくださり、2日目のワークは笑顔がたくさん見られて、良い雰囲気の中で活動できました!

2日目には門馬さんの奥さんから震災時のお話も伺うことができました。被災された方から実際のお話を聞くのは私たちにとって本当に貴重なことでした。「津波も悪いことばかりじゃないね、みんなに会えたもの」と笑顔で言える門馬さんの奥さんが、私にはとても強く見えました。辛く苦しい記憶でも、私たちに伝えてくださるのだから、私たちも震災のことを忘れてはいけないし、自分が聞いたり、見たり、感じたり、考えたりしたことを外に発信し、自分たちにできることを行動に移さなければならないと思いました。

 
東北派遣から戻った8月30日、静岡県浜松市で東日本大震災のための募金活動を行いました。平日の昼間にもかかわらず、多くの方にご支援をいただきました。現地に行って、募金にも参加したメンバーからは「ボランティアは、する人とされる人だけではなく、その周囲の人もいて、その人たちも動かすことにもなるのでは」という話も聞けました。

私たちにできることはほんとに小さなことだけれど、でも現地で笑顔になってくれる方がいるし、今回の派遣に参加してくれたみんなが、もう一度現地に行こうと思えたのだから、無駄なことではないと思います。2日間の活動の中で、14人のチームメンバーそれぞれがたくさんのことを感じて考えました。私たちにできること。忘れないこと、考えること、伝えること。自分で考えて何かしらアクションを起こしていくことが大事なのではと思います。

現地のハビタットスタッフのみなさん、ハビタット・ジャパンのみなさん、お世話になりました。ありがとうございました!参加してくれたSUACハビのみんな、ありがとう!

2013年9月5日木曜日

国内:ボランティア体験談(東北その12)

【ボランティア体験談 @東北 2013.08.26-27】
投稿者:西川 直哉(学生)/ ハビタット・ジャパンが岩手で行う復興支援活動に参加
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こんにちは!ハビタット・ジャパン学生支部、関西学院大学上ヶ原ハビタット二回生の西川直哉です。今回、私たちは13名で大船渡でのボランティア活動、スタディーツアーに参加しました。

8月26日、大阪からのバス旅で昼頃、大船渡に到着しました。お昼ご飯を食べて、ハビタットスタッフの徳地さんと板沢さんによるオリエンテーションを終え、一日目はスタディ-ツア-をしていただきました。今まで宮城県には、ボランティアで何回か行ったことがあるのですが、大船渡市、陸前高田市には初めて訪れ、被災の様子を目の当たりにしました。地盤沈下によって、海面が陸上と同じような高さであるところをみてとても驚きましたし、陸前高田市にあったマンションの四階部分まで被災の跡が残っていて、「あんな高いところまで」と改めて津波の恐ろしさを思い知らされました。

そして、大船渡市にある「潮目」という津波資料館を訪れました。この津波資料館は、片山我一良さんという方が震災の被害の大きさを伝えていきたいという思いから、“がれき”から作られたそうで、中には被災前、被災後の写真などがあり、東日本大震災の被害の大きさがよくわかりました。片山さんの街づくりに関するお話も聞くことができ、本当に的を得ているなあと思いましたし、自分たちにもできることがたくさんあるんだと感じました。またこの津波資料館の中には、アスレチックのようなスペースもあり、我一さん(わいちさんと呼ばれているらしい)の発想豊かな建物になっているので、大船渡に訪れた際には是非行ってみてください!日本の音風景100選に選ばれている大船渡の観光名所である「雷岩」にも訪れました。目の前には広大な海が広がっていてほんっっとに景色がきれいでした!

一日目の夕食は、大船渡市にある「屋台村」に行きました。プレハブの料理屋さんがたくさん集まっていて、真ん中には外で食べるスペースもありました。ぼくは、お寿司を食べたのですが、今まで食べた中で一番美味しかったんじゃないかなと思います。僕はタコに感動しました!!また、先ほど登場しました「わいちさん」も来ていて、僕たちにホヤや焼き鳥などをご馳走してくださり、地元の人たちの「あったかさ」をすごく感じました。ありがとうございました!

二日目は、ツリーハウスプロジェクトの活動に参加しました。このツリーハウスは、末崎地区にある末崎城跡に建てるのですが、地元の人のここの歴史を知ってもらいたいというような思いや、遊べるような観光地を作りたいという思いからこのプロジェクトは始まりました。僕たちはそのツリーハウスに必要な木材を運んだり、防腐剤を塗る作業をしたのですが、想像以上に木材を運ぶのはしんどくて、体力の衰えを感じました(泣)。ですが、みんなと一緒に楽しく出来ました。いつか、ツリーハウスができて、この場所にたくさんの人が訪れてくれればなと思いました。

この二日間の活動で、がれきがまだ残っている場所や、被災したあとが残っている場所などを見て、やはり復興にはまだまだ時間がかかると思いました。しかし、工事をしている車もたくさん見かけましたし、「わいちさん」のお話、街を活性化させようというツリーハウスプロジェクトの取り組みなど、少しずつではありますが、復興へと進んでいるのではないでしょうか。そんな中で僕たちのような学生にもたくさんできることがあると思います。これから自分たちに何ができるかをしっかり考えて、行動していきたいと思います!

最後に、現地でお世話になりました徳地さんと板沢さん、派遣まで現地スタッフと連絡をとって頂いた小倉さん、ハビタット・ジャパンの方々、本当にありがとうございました!!!

2013年9月4日水曜日

東北スタッフ便り(その11)

【東北スタッフ便り  2013.09.04】

奥松島生まれの人気者!「おのくん」
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こんにちは!宮城事務所より野口です。最近の宮城は、ちりちりの太陽と蝉の声、夏祭りで元気な賑わいを見せていたと思ったら、気温がぐっと下がり、もうすっかり秋の気配を感じられるようになりました。

今回は、今まで宮城に来たボランティアのみなさんなら誰でも知っている隠れた人気者、キャラクター人形「おのくん」を紹介します。

「おのくん」は、震災以前は奥松島に住んでいた奥松島のお母さんたちによって、東松島市「小野駅前応急仮設住宅」の集会所で一つ一つ丁寧に作り上げられています。

おのくんの元祖は、アメリカの貧しい労働者階級のお母さんが子どもにプレゼントするために靴下を改良して作った「ソックモンキー」。ストライプ、花柄、チェック柄、民族柄・・・と、靴下の数だけ、個性的なおのくんたちが存在します。

地元の人をはじめ、ボランティアや観光客の中でもおのくんの知名度は高く、集会所の棚に置かれたおのくんは、完成したそばから売れて行き、ひっきりなしに新しく入れ替えをする必要があるほど。小野仮設の集会所からのミシンの音を聞くたびに、「どんなおのくんができるんだろう」といつもわくわくします。

震災から2年半が経った今、先の見えない状況の中でも日々前向きな気持ちで新しい未来を自分たちの手で築いていこうという、仮設のお母さんたちの思いが込められている「おのくん」。東松島の人気者として、これからも希望のひかりを灯し続けてほしいです。

2013年9月2日月曜日

海外:ボランティア体験談

【ボランティア体験談 @Mekong Big Build in ベトナム 2013.08.03-2013.08.12
投稿者:中山 紀子(学生)/ ハビタット・ジャパン学生支部企画「Step to Peace2013」の代表を務める
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こんにちは!

ハビタット・ジャパン学生支部(CC)企画「Step to Peace 2013」代表を務めさせていただいた中山紀子です。

この一年間は、私にとってあっという間で、一瞬一瞬がとても大切な時間となりました。「Step to Peace」では、「ボランティアをしてみたいけれど、一歩が踏み出せない…」、そんな学生の新たな“きっかけ”作りを目的にCCが2012年に立ち上げたプロジェクトです。このプロジェクトは、ハビタットの活動を通じて、国際協力に関心のある学生を巻き込み、共に貧困住居問題の解消に取り組むことで、全世界が平和になるように、そのStepとして伝えていくものです。私を含めた本企画のコアメンバー10名は、昨年夏に開催された第一回目「Step to Peace 2012」活動終了後から2013年の実施に向けて活動を始動。ハビタット・ジャパン事務局と実際に参加する活動を調整すると共に、その活動に参加する学生を一人でも多く集めるために、東西を駆け回り広報活動に力を注いできました。












そして、最終的には31名の学生が集結。「Step to Peace 2013」としてハビタット・ベトナムが8月5日から開催した「メコンビックビルド」に参加することになりました。

「Step to Peace」は国際協力への関心を築くことがゴール。そのためには”気づき”や”学び”が欠かせません。7月に参加者全員を静岡県の掛川に集め、事前合宿を行いました。合宿では現地での支援活動をより有意義にするために、渡航するベトナムの歴史や文化、社会を学ぶ機会を設けました。加えて、これから共に活動する仲間意識を高めるためにボランティア同士の交流にも努めました。

そして、遂に「メコンビックビルド」開催。私たちを含め世界中から集まった200名近くのボランティアが、貧困住居問題で苦しむ25世帯のホームオーナー家族(ハビタットの建てる家に住む家族)と共に、25軒の建築に携わりました。私たち31名は3チームに別れ、3世帯、3軒の建築活動にあたりました。現地では、”気づき”や”学び”を大切にするために、それぞれが湧きあがる思いをきちんととらえ、言葉にして共有することを大切にしました。「スキルのない私たちにできることは何だろう」、「コミュニケーションが上手く取れない」など毎日気づいたことを夜遅くまで全体で、チーム内で、また時には一対一で話し合い、お互いの思いを共有し合いました。

活動も中盤に差し掛かったころ、それぞれのチームは自分たちが支援するホームオーナー家族の状況を知る機会を持つことになりました。「住居が狭く家族全員で暮らすことができない」、「雨風が凌げず衛生環境も悪いため健康を害している」。家族によってその状況は様々であるものの、最も必要としているものは「家」であり、私たちはスキルがないからといって甘えてはいけない、現地の家族が必要としている家を一日も早く、そして想いを込めて贈ることが私たちに託された使命だと気づきました。そして、全員が決意を固めワーク後半に踏み出しました。

家が完成したとき、ホームオーナーさんが力強く私を抱きしめてくれた時の感触を今でも覚えています。この家と共に歩みだしていく期待とこれからの不安が入り混じっているように感じました。











私たちの現地活動は終わってしまいましたが、本当の始まりは“これから”だと感じています。私たちが住居建築活動に携わったのはたったの5日間。家族の暮らしはほんの一部しか分かっていません。私たちが家を建てたことによってホームオーナー家族の暮らしがこれからどうなっていくのかは誰にもわかりません。家はあくまで貧困から抜け出す”きっかけ”にすぎません。家が建った後が重要なのです。けれどもその”きっかけ”がなければ貧困住居問題は解消されません。「Step to Peace」に参加してくれた全員にとっても、事前学習を経て現地に赴き、そして建築活動を通じて人のあたたかさ、繋がり、笑顔など、31名、31通りの”学び”がそこにはありました。その一つ一つの学びが放つ『色』がきれいな『彩り』を作り上げ、参加者メンバーの心の中に新たな”きっかけ”となる熱い想いが築き上げられたようでした。

私たちはこれからも活動を続けていきます。多くの人々に今回の体験を伝え、少しでも世界の問題に関心を向けてもらうこと。様々な人と思いを共有して自分の『色』を増やしていくこと。私はもう現地にいない今、ベトナムのホームオーナー家族に対して想像を働かせることしかできません。目に見えないところまで想像を働かせ、私ができること、私にすべきことを少しずつしていきたいと思います。小さな一つ一つがいつか、今回出会ったベトナムのホームオーナー家族の希望に繋がっていくことを信じて。Step to Peaceという名前にも込められた願いです。


「Step to Peace 2013」の活動を通して出会った多くの方々、本企画実施にあたり協力してくださった関係者の方々、支えてくれた仲間達、保護者の皆様、ハビタット・ジャパンの皆様に深く感謝いたします。皆様の支えがあって無事に活動を終えることができました。なお、本企画の現地活動報告会を、以下の日程で開催を予定しています。関心のある方、お時間のある方、是非足を運んでください。

日程:9月21日(土)
時間:14:00~16:00(プログラム終了次第)
場所:JICA横浜
入場料:無料
※途中退場・入場料無料

本当にありがとうございました。

2013年8月29日木曜日

事務局:カンボジアの家族と家を建てよう8日間 in バッタンバン

【事務局便り2013.08.29】

こんにちは。ハビタット・ジャパン、支援事業部ボランティア事業担当の小倉です。
今、カンボジア、シェムリアップの空港でこのブログを書いています。

カンボジアはもちろん暑いですが、雨季なので酷暑というわけでもなく、夜はむしろ日本よりも涼しいくらいです。
今年の日本の夏は暑いですね。みなさんお体に気を付けてください。

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さて、なぜ私がカンボジアにいるかと申しますと、一昨日まで「カンボジアの家族と家を建てよう」というGV(ハビタットの海外建築ボランティアプログラム)に同行してきたからです。
通常GVは自分たちでチーム(12名より)を作り、ハビタット・ジャパンに直接申し込むものですが、ひとりで12名集めるのはなかなか大変!&そもそもハビタットを知らない人にも、GVに行ってもらいたい、ハビタットを知ってもらいたい、そういう想いから今回は旅行会社HISさんと協力してツアーを企画しました。


集まったのは、高校1年生からベテラン社会人まで13名。
東京から名古屋、大阪、福岡まで日本全国から参加です。
世代間ギャップ、地域ギャップ、そしてキャラギャップ(?)。参加動機も同じものを見て感じることも様々。そこに現地の家族やスタッフなども加わって、いろいろな価値観が混じる、「これぞGV!」という活動になりました。私も同行していて本当に勉強になりましたし、楽しかったです。
そして、そんな中でも全員が「なにか人のためにしたい、いい活動にしたい」という気持ちをもって一丸となって動いた温かいチームでした。


そんな活動の様子をスライドにまとめてみましたので、是非ご覧ください!

下のリンクをクリックするとスライドがスタートします。
Slideshow



ツアー代金の一部はハビタットへの寄付金となり、こういった家の資材などに使われます。
またボランティアの労働力も大工さんを雇う家族の負担を軽減させます。


今回かかったツアー代金をそのまま現地に送って、現地の大工を雇えば、その方が効率はいいのでは?と思う方もいるかもしれません。確かに、そうした面もあると思います。ただ、実際に自分で現地に来て、やってみないとわからないこと、それを肌で感じ、日本に帰ってから、少しでも周りに伝えるなど行動してくれたら嬉しい。そういう想いで、私はGVを担当しています。
 

そしてそして、日本に帰ると思いきや、これからタイ、バンコクに向かいます!8/28スタートの「タイの家族と一緒に家を建てる活動8日間」に同行するためです。
こちらもいい活動にできますよーに!頑張ります!

国内:ボランティア体験談(東北その11)

【ボランティア体験談 @東北 2013.08.02-03】
投稿者:関根 脩人、高橋 洋一(学生)/ ハビタット・ジャパンが岩手で行う復興支援活動に参加
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今回、私たちHabitat for Humanity KUIS(以下Habitat KUIS)は、岩手県大船渡市へ東北ボランティアとして派遣されました。2011年に起きた東日本大震災から、二年が経ち、私たちは、だいぶ復興など進んでいるだろうと思っていました。しかし、震災が残した傷跡は深く、復興があまり進んでいないというのが現状でした。

 私たちが今回行ったのはNGO団体Ibasho とハビタット・フォー・ヒューマニティ・ジャパン(以下ハビタット・ジャパン)が協力し、作成したニーズ調査アンケートを用いながら、大船渡市の住民の方々がいる仮設住宅を訪問するというものでした。アンケートの内容は二つに分かれており、一つはIbashoの研究課題である人と人との繋がり方の調査で、もう一つはハビタット・ジャパンによる被災された方の住宅に関するニーズを調査するという内容でした。以下、Habitat KUISの関根脩人と高橋洋一が個人的に得た感想を述べます。

関根 「こんにちは!!ハビタット・ジャパン神田外語大学学生支部の2年関根脩人です。僕は今月の2日、3日つづけて大船渡支部のボランティアのお手伝いをさせてもらいました。東京の気温と同じだと思ってTシャツしか持ってこなかった僕は大船渡で少し涼しいなと感じました。さすが、大船渡!!この度大船渡オフィスのケンさんとよしこさん、神戸市立外国語大学のななさん、そして我がHabitat KUISの最高のパートナーと言える洋一君と共に、仮設住宅の皆さんに対してアンケート調査のボランティアをさせてもらいました。
なーんだ!!アンケート調査なんか簡単じゃん!!と思ったのも束の間。ちょー人見知りの僕にとってある意味GVワーク以上の難題でした(汗)。最初は台本通りにアンケート調査をしてしまい、反省点ばかり残してしまいました(汗)。しかし、そのうちコミュニケーションが上手く取れ始めると、会話が弾み、仮設住宅の住民の皆さんと笑い話まで出来るようになりました。これ本当ですよ!!
その一方、実際住宅再建の仕組みに関して理解した事や仮設住宅の住民皆さんの心の底からの本当の意見などが聞くことができ、実際現地に行ってみないと分からない事ばかりあったなと私は感じました。反対に、実際津波を経験してないその人たちに対して、僕はどのような応答すればいいのか分からなくなった時も度々ありました。けれども、笑顔が一番大切だと私は感じているので、たとえコミュニケーションが下手だとしてもニコニコっと笑顔をいつも振る舞っていました。
今回のアンケート調査を通して貴重な体験させていただけたと企画してくれたハビタットと大船渡の皆さんに私自身本当に感謝しております。今度東北で建築ボランティアのプロジェクトを行う際は、是非僕たちHabitat KUISのメンバーを呼んでください!!今度大船渡に訪れるときはちゃんとコミュニケーションとれるようなっていますので皆さん期待してくださいね!!あとまた温泉にも連れてってくださいね。以上、関根脩人からでした。」

高橋 「私も、脩人君と同じように、ただアンケートを取るだけなら、誰にもでも出来るような簡単な仕事だなと思っていました。しかし、今回のこのアンケートの結果次第で次回の建築ボランティアの方向性が決まると聞いたとき、これは、とても責任があり、重要な事なのだと認識しました。実際、アンケート調査をしてみると、そこではコミュニケーション能力がいかに大切か問われました。初めは、あいづちなどを打っていても、住民の方には『本当に私の言っている事を理解しているの?』というような懐疑的な目で見られ、うまくコミュニケーションが取れませんでした。また、ある人は、当時の震災の出来事について涙を浮かべながら語り、また、悔しさを顔に浮かべて話していたので、私は感情移入してしまい、気付いたら気持ちが落ち込んでいました。こういう状態に陥ることを疑似被災者と言うそうです。
このようにアンケート調査は簡単なものではないということを実感しました。こういったコミュニケーションを交えたアンケート調査は自分にとって初めての試みだったので、ボランティアが終わった後、何か自分の中で達成感を感じることが出来ました。」

以上、私たちが個人的に得た感想です。また、脩人君が話していたように、大船渡の人たちは、とてもフレンドリーで、思っていた以上に明るくふるまってくれたので、とても居心地が良かったです。また、大船渡の美味しい海鮮料理や、お祭りなども楽しめたので、とてもいい経験になりました。次回、東北で建築ボランティア活動が行われる時は、Habitat KUISは快く、率先して参加しますので、是非呼んでください。この度は、貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。